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ウマ娘という作品はアニメからアプリが出るまでの空白の3年間に何があったのかを巡って随分と憶測というか都市伝説が多い作品です。
例えばノーザンファームから出禁を食らっているとかいう話もありますが、セレクトセールから大手馬主に買われ、引退後は社台SSで種牡馬入りという(ノーザンファーム産の)競走馬のエリートコースを辿ったサトノダイヤモンドが登場している以上は少なくとも現在ではノーザンファームからの一定程度の協力は得られているのは間違いないでしょう。*1
で、次の多い都市伝説は「アイドルゲームだったのに、アニメの方向性がスポ根だったから作り直した」というものです。そもそもかつて陣頭指揮を執っていた石原章弘氏はアイドルマスターの産みの親とも言うべき存在で東宝の伊藤隼之介プロデューサーが競馬ファンであり、石原氏もアニメ終了後の対談記事で「もし伊藤さんがいなかったらアニメは成立しなかった」とまで絶賛するほどだったので確かにその憶測はスジが通っているように見えます。
しかし、この説も根拠が薄い。実はアニメのシリーズ構成って脚本家の杉浦理史氏とともに、石原氏がクレジットされているわけで、方針転換をするにしてもアニメの企画が経った時点で変わっていないといけないはずです。少なくともアニメの評判をみて変えたというわけじゃ無いのでしょう。
じゃあ何が変わったのか?
アニメの放映1年前にされた石原氏のインタビューでは
世界観は基本“熱い”
とも言っており、競走馬を擬人化した美少女をレースで競わせ、勝てばライブというコンテンツの根幹とも言うべき方向性は一切変わってないように思います。
じゃあ、何が変わったのかと言えば、まずUIやグラフィックは向上していますが、石原氏の2017年のインタビューで気になる2点があるのです。
(複数育成が可能になるのかという問いに対して)その予定です。競馬ゲーム的なイメージだと“自分の牧場”と考えてもらえるとわかりやすいかもしれません。
結局育成できませんでした(笑)
リリースされたゲームは育成期間中はマンツーマンでクリアしたら次の子というアイマスのシステムを踏襲したシステムなのですが、インタビューの記事を見ると競馬ゲームのようにプレイ期間中に並行して何人も育てることが前提と考えていたのかな。だとすると、アニメやメインシナリオなどで出てくるチーム○○(星座名)って、複数同時育成システムの名残りなのでしょう。
もちろん、血統を考え強い馬を作り出すという馬主さんのロマンも、競馬のおもしろさのひとつだと思っていますが、僕は勝負の世界が生み出す“予想できない未来”を楽しむことがおもしろさだと考えているんです。
「配合はどうするんだ?」という問いはリリース前に散々言われてたことなのですが、女の子同士の上に、ヒトに置き換えるけど非常に生々しいけど、競馬ゲームのやりこみ要素なのでオミットも難しいと思うのですが、石原氏は果敢にもオミットしても良いと考えていたのかもしれません。
アニメの一期と二期を見て皆さん何か気が付きませんか?
さらなる違いはアニメにも見いだせます。一期の頃ってレースで限界に達したら「ムリー」っていうけど、二期は1話以外そんな描写無いし、ゲームでは一言も発していません。*2食べ過ぎでぼて腹とかギャグっぽい描写もなく、シリアス色が強い。これは漫画シンデレラグレイも踏襲していますし、もしかしたらもっとおちゃらけた作風だったのかなと思うのです。
思えば765は他マスと比べても石原氏退任後だけどチュパカブラとか、坂上氏の発案だけどスモック着せたり、メカ千早だの、悪く言えば内輪ノリが多い感じでそうした作風は石原氏の影響なのかも知れないなと思います。