オーダーメイド化する社会

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この記述は終身雇用が前提なのだと思うのですが、日経ビジネスが80年代に会社の平均寿命は30年みたいな説を提唱していて、その当時ですら多くの人にとって転職は一度は経験するライフイベントだったはずなのに、それがないことにされているのはなんでなんだろうなと思いました。

また、佐々木氏は「総弱者社会」と主張していますが、「セーフティーネットが崩壊している」「みんなが弱者だ」というなら、今こそ宗教団体は濡れ手で粟を掴むかの如く拡大のチャンスのはずですが、全く影が薄いのです。

例えば、創価学会が高度成長期の成長に預かれない層をすくい取って大躍進を果たしたのとは対照的にです。

それは何故かと言えば、マジョリティだけじゃなくマイノリティにもある程度のロールモデルというものがあったように思えるのです。例えば、在日であれば焼肉屋やパチンコ屋を経営して、トランスジェンダーであればニューハーフ風俗みたいなロールモデルが明示されていて、その境遇に生きる人は何も疑いようもなくそのレールに従って生きていた。

マジョリティが崩壊したと言うけど、マイノリティの生き方も崩壊して多様化してきている。トランスジェンダー女性が普通に会社で働いたり、一般の芸能人になるなんて*1今まではあり得ないことでしたし、彼ら・彼女らが競技スポーツの場に立つことなんて考えられないことでした。

佐々木氏が引き合いに出す伊是名夏子氏も社会党県連の重役で、多くのボランティアを使役して子育てをしている身です。身体的には弱者でも社会的に強者ですし、数年前の乙武洋匡氏のイタリアンレストラン事件だって、乙武氏が身体的には弱者でも、著述家として一角の人間で収入的にも恵まれているからこそ反発された面も大きいでしょう。

このようにシチュエーションによって誰もが弱者にも強者にもなり得る時代というのはオーダーメイド化社会と言っても良いでしょう。
こうした時代のセーフティーネットや政策というものはもはや人の力に頼れる範疇を遙かに超えている。
全ての膨大な情報を一元的に管理して、その膨大な情報をコンピューターを駆使して処理するシステムとしていかないといけないのです。

しかし、情報の一元化には反対が多く、未だにカンコツを重んじる世の中では、それがおぼつかないと思うのですがどうなのでしょうか?

*1:ぷよぷよの大会の優勝者をチー牛顔とかいって笑った椿彩奈お前のことだぞ