ベイマックスと日本アニメ終了論

「『ベイマックス』を見て、日本のアニメは終わった」と悲観している人が続出しているようで。
そもそも「日本アニメは作家主義」などと言われてますが、日本アニメでも子供向けホビーアニメは、玩具メーカーが企画を主導した集団指導的な作品づくりがなされており、例えば『プリキュア』シリーズや『アイカツ!』などにおいて個々の作家性について言われることは余り聞きません。
このように作られた国が問題なのでは無く、商業化が進んでいるかどうかが問題なのでは無いでしょうか?ディズニーアニメは多額の資金が投入されたまさに一つの産業で有り、失敗が許されない以上は「作家性」という曖昧で不確実な物への依存は避けられておりますし、日本でも先ほどあげたホビーアニメの他にも、視聴者のスタッフに対する感心が高いはずの深夜アニメのヒット作であっても監督や演出家の作家性が注目されていない作品もあるのです。
日本アニメの象徴になっているスタジオジブリは確かに作家主義の極地なのですが、そもそも生い立ち自体が「宮崎駿高畑勲の個人スタジオ」という色彩が強く、そうした事情を知らない人やジブリブランドを利用したいマーケットの都合において「脱宮崎駿スタジオジブリ」が殊更に喧伝されてきたわけですが、結局余り上手くいかずに制作部が閉鎖に至ったわけです。
「誰が作っても一定のクオリティと一定のヒット」を望める作品をつくるスタジオとしてジブリは確かにブランドは満たしていても体質が完全に相容ず、ジブリじゃ無く1からブランドを立ち上げる方が簡単かつ確実だと思います
おそらくジブリが脱職人主義に転換するには20年遅かったのですが、そもそも「日本アニメは滅びた方が良い」と公言するような宮崎監督がアニメの産業化・商業化に舵を切るとは思いませんがね。