愛媛FCの粉飾決算と衰退する地域でプロスポーツを運営する難しさ


愛媛が粉飾決算…12、13年度は赤字だった - サッカー - SANSPO.COM(サンスポ)

今月16日、プロサッカーチーム「愛媛FC」過去二年間にわたり粉飾決算を行ったことを発表した。
Jリーグは、ライセンス制度を取り入れており赤字が三期続けばライセンスが取り入れるために赤字を黒字と粉飾していたのだ。
とはいえ、粉飾は2012年と2013年の決算に限られ一応は2014年の決算は「黒字」となるので赤字が理由でのライセンス剥奪は回避されたが、粉飾決算を理由とするライセンス剥奪の可能性も含め厳しい処分も予想される。
 


時事ドットコム:愛媛、1億円の粉飾決算=ライセンス剥奪は「回避」−J2

 しかし、ライセンスが回避されないという観測もある。これが事実ならサッカー界は赤字よりも粉飾決算という経済犯罪の方が罪が軽いと考えてることになる。我々はスポーツ界の不祥事を通じ如何にスポーツ界が世間の常識とかけ離れ、時にマスコミがそれに荷担してきた事実を見せつけられた。
しかし、そうした事実はスポンサー場慣れに直結する。Jリーグは今季から明治安田生命をスポンサーに迎え正式名称を「明治安田生命Jリーグ」とすると発表したばかりだ。そうした努力を水泡に帰しかねない。

そもそも「地域密着」という理念に無理は無かったのか?地域密着の土台となる「地域」は20年続いたデフレ経済で、いやそれ以前から過疎化や経済発展から取り残され衰退の一途を辿っている。そうした惨状にこれまでの政治はあまりに無力かつ無為無策だったし、JFAも現実を無視し続けた。

経済力の弱い地方でプロサッカーチームを根付かせるとすれば米国のMLSのようにドラフト制度を取り入れたり、選手の給与を機構から支払うシステムを取り入れるなどリーグを一つの会社と見立て全体で繁栄するという考えを持つか、マンチェスター・ユナイテッドレアルマドリードのような世界的なビッグクラブを育てそのトリグルダウンで地域のクラブを運営していかなければならない。しかしそうした運営方針は「去る者は追わず」というドライさも合わせている。現に欧州の弱小サッカーチームは経営破綻の話がしばしば聞こえてくる。

今回の事件は小手先では無い抜本的な改善策をJリーグが求めていることを如実に示している。