結局シャニマスPはスタマスの何に怒っているの?

 昨日(10/6)のスタマスに凛世がでるようになって大炎上して、それに対して古参が一斉にシャニPというか凛世Pに向かって「ファンとと公式との付き合い方」みたいなのを説教しているけど、どうも何が炎上しているのか理解して無いんじゃ無いかなと思います。

 「並行世界だから不満なんだろう」という人も居たけど、シャニマスだってプロデュース毎にWINGに優勝したり、一次予選に敗退したりするその様はパラレルワールドそのものだし、よくよく考えればシナリオ一つ一つの時系列だって本当に整合性取れてる(今は取れていても今後も維持できる)のか怪しい面もある。なんなら、コミカライズなんてWINGの予選形式が変わっていたり、イルミネが一番後輩で他のユニット(ノクチルとストレイライトは現在未出演)はある程度売れていたり、並行世界というものになじみが無いわけでは無いのです。

 じゃあ、何が不満なのかと言えば、シャニマスは「公式が強くシナリオに強い作家性を見いだす」傾向があって、スパロボ式クロスオーバーはそこがなくなって雑な扱いになりそうなことへの不満と反発なのだと思います。

 誤解を恐れずに言えば、他のタイトルは公式が弱くてシナリオもいい加減かつ適当なもので、3DCGの技術とファンの情熱で突っ走ってきた歴史なのだと思います。

 これはアイマスに限った特殊な状況じゃなく大塚英志が1989年に『物語消費論』で提唱した「ビックリマンチョコで消費されていたのはチョコレートでも、シールでもなくフレーバーテキストに語られた『物語』であり、消費者はその背景を想像することを消費している」のだという「物語消費論」に近いものがあるでしょう。

 たとえば、坂上さんも「黎明期のアイマスはユーザーの二次創作主導で作られた物だった」ということをおしゃって居ましたが、ニコマス文化が伸びたのは公式が弱いからこそ二次創作が盛り上がっていた面もあったと思うし、モバマスで100人以上の「変なアイドル」(当時のキャッチコピー『変なアイドルがいっぱい登場』より)を用意できたのも公式が弱く、カードに据えた一言二言の会話で必要充分だったという面も大きいのでしょう。

 だけど、シャニマスは公式が強固で、むしろ「物語消費論」で語られた「消費者はその背景を想像すること」よりも以前の消費形態である「消費者は与えられたものを享受する」というスタイルに近いと考えています。

 もちろん、シャニマスも二次創作自体は盛んなのですけど、「物語を自ら作ることAS」と「物語を与えられ(てそこからリアクションす)るシャニマス」って同じ『アイドルマスター』というタイトルであっても性質は水と油と言っても良いわけで、その実は『アイマス』と『ラブライブ!』くらい違うのではないでしょうか。

 ただし、283Pにも落ち度もあるし、古参にも正論が有るとは思います。
 
「凛世は283P以外にプロデューサー様なんていうはずがない」という主張があるけど「役職+様」なんて「ディレクター様」なんて言ってきているし、そこまで公式が外してるとは思えませんし、案外売りのはずのシナリオも読まれていなかったり忘れられてたりするのかなとは思います。しかしだな、親愛度MAXになれば「あなた様」と平気で言ってきそうな気はしなくもないですが。*1

 他方、古参も「公式なんて都合の良いところだけ取ればいい。盲信するな」ということを言ってきてますけど、それ自体は正論だとは思います。どの公式だって100%都合良くは行かないのですから、他の複数の*2タイトルを見つけて広く浅く消費するのが一番精神衛生を保つのにいい付き合い方なのと思います。

 しかし、今回の発表の数日前のニジガクのアニメが注意深く「これはスクスタと違うパラレルワールドですよ」と丁寧に描いていたのに、この雑さはなんとかならなかったんですかね?いっそ登場人物が全員765の新人アイドルだったらここまで荒れなかったかも知れないですがね。まあ、そうなれば別の所から火の手は上がりそうですけど。

*1:これって言うなれば、美希が283Pをハニー呼ばわりするようなもの

*2:他マスという意味じゃなく、出来れば提供する事業者からして違う