黒歴史にするには惜しい作品~ルパン三世風魔一族の野望

10月のアニメが余りに不作のせいで、最近配信のルパンを見てるのですが、その流れで黒歴史の風魔の一族にも興味が湧いてレンタルで見てみました。

ギャラの引き下げが原因とも、イメージチェンジのためとも、カリ城当時の山田さんの態度が気に入らなかったスタッフの意趣返しとも言われてますが、声優の交代劇が著しく作品の評判を下げる原因だし、私も古川ルパン?アホか?としか思えなかったんですが、古き良き80年代アニメのテイストという感じで、なかなか面白い作品です。未だにブルーレイが発売されてない作品ですが、これを黒歴史として埋もれるのは実に惜しい。

冒頭いきなりゲストヒロインと五ェ門の結婚が描かれるわけですが、28年後に制作された、4期冒頭のルパンとレベッカの結婚はおそらく本作のオマージュなのではないかと個人的には思うわけです。何せ作監=4期の総監督ですから。

次元が拳銃を使わなかったり、変装が無かったり、不二子にお色気要素がなくてアクティブでお茶目な感じになっていたりとお約束要素が取っ払われてて、80年代の軽いテイストのアニメには古川さんの演技は似合ってるし、新声優陣で五ェ門とルパンが一番良かったです。というか、風魔ルパンは古川さんのはまり役と言っても良いくらいで、おそらく山田さんや栗田さんがルパンを演じていたらそもそもならこの作品のノリは出せなかったのではないかとすら思えます。

当時のルパンはアニメージュのアニメグランプリの歴代ベストワンキャラクター(男性キャラ)部門で6~10回まで選ばれており、ちょうど今で言えば、SEEDとかギアスの続編が継続的に作られて、ある日続編で「若手に替えます。声優には断ってません」と言うような物でそりゃ火薬庫に花火を持って入るようなものなので、それが作品の評価を下げたのは返す返すも残念。

これが成功してたら、割と柔軟に007のように声優を替えていたんでしょうね。この件がトラウマになって、5年前の声優交替でもクリカンさんとコバキヨさんを残したり、ルパン制作陣は声優の交替にかなり臆病になったように思えるのですが。

近頃のアニメの主流は、実在の背景の再現で日伊合作の4期もイタリアの風景を忠実に再現してた(と思うし)、風魔路線を継承したアニメを水島努監督辺りで逆転裁判タイムボカンをやってる土曜5時半くらいに放送したら普通に楽しめるのでは無いでしょうか。