職業人育成を求められるのであれば教育界の総意として職業高校の復権運動を!

 

大学で「職業人」育成を 教育再生実行会議が提言 :日本経済新聞

大学で「職業人」育成を 教育再生実行会議が提言
2015/3/5 0:05

 政府の教育再生実行会議(座長・鎌田薫早稲田大総長)は4日、職業に結びつく知識や技能を高める実践的なプログラムを大学に設けるとの提言を安倍晋三首相に提出した。アカデミックな教育課程に偏りがちな大学を変革し、産業界が求める「即戦力」となる人材を育てるのが狙い。社会人の学び直しを後押しするとの期待もある。

 同会議の提言は6回目で、今回は生涯学習の推進を主なテーマとした。安倍首相は「誰でも学び続けることのできる社会をつくる。女性の活躍や地方創生にも極めて重要だ」と述べた。

 提言は大学のあり方に関し「人生を豊かにする学びに加え、実学を重視した教育を提供することも必要」と指摘した。そのうえで資格の取得などを目指す教育プログラムを各大学が設け、国がこうしたプログラムの内容を認定する仕組みを創設するよう提案した。

 プログラムの開設にあたっては、民間企業や地元自治体と連携し、産業界や地域のニーズを採り入れることを要請した。

 同会議は昨年9月に分科会を設け、大学を若者だけでなく全世代の学びの場と変える方策などを議論した。委員からは「地域が求める人材と大学の教育内容にミスマッチがある」「全ての大学が『ミニ東大』のような総合大学である必要はない」などと、大学の機能分化を推進すべきだとの指摘が相次いだ。

 産業界や地域の間には職業教育の強化を大学に求める声は多い。一部の大学は動き出しており、ワインの産地として知られる甲府市にある山梨大は来年度、高品質なワインの製造技術を学ぶ新たなプログラムを開設する。醸造家らを講師に招き、日本ワインの輸出増加に貢献する人材を育てる狙いという。

 文部科学省は提言を受け、大学の実践的なプログラムを文科相が認定する制度の検討を始めた。専門学校には既に同様の仕組みがあり、民間企業と連携した様々なプログラムが開設されている。

 提言はそのほか、子育て中の女性らが無理なく学べるよう大学の在学や休学期間の上限を弾力化することや、地域住民が学校運営に参加する「コミュニティースクール」(地域運営学校)を全校に広げることなどを盛り込んだ。

 

「そんなに必要なら会社が金を出して作れ」という人も居ますが、実は日本にはそうした教育制度が準備され既に多くの卒業生が社会の第一線で活躍しています。

仮に「職業人育成を企業から求められてる」というのであれば、それを活用しない絵はありません。

それが、職業高校です。

しかし、どうも職業高校も地域性や時代に合わせ酒造りを教えたり、サラブレッドの生産やプログラミングの科目などを取り入れてるにも関わらず、社会、それも教育界ですら忘れられた存在であるように思えます。

とりわけ工業高校の置かれている立場は深刻で、ピークだった1965年の925校から、13年には542校と4割以上も減り、生徒数に至ってはピークの62万人から26万人へ6割弱と少子化というレベルではないくらいに減少している実態があるのです。

さらに言えば、職業高校のイメージは『ビー・バップ・ハイスクール』のような不良のための学校だとか、高校ラグビー高校野球の為の学校というイメージも強いのです。

実際、工業高校に通って職業人として社会で活躍するような階層の人々を「マイルドヤンキー」と呼んで差別的に扱っている社会学者が居ましたし。


職業人育成が焦眉の急というのであれば、教育界は全力を挙げて職業高校の復権を訴え、大学は本来の研究の場としての機能を取り戻すべきではないでしょうか?