バンナムがライブを再開してブシロがライブを開くのは祖業の違いという話

昨日のバンナム株主総会で言明されていた「これから無観客(オンライン)ライブのことを考える。リアルイベントはまだ出来ない」ってバンナムの姿勢、NPBJRAですら早期の限定的な客入れを考えてるのに「随分フットワークが重いなと」思いますけど、バンナムの祖業が「玩具やアーケードゲームの会社」でブシロ(というか木谷会長が山一から独立して始めたブロッコリー)が「イベントのプロモーション会社」という性格の違いなのかなとも思います。

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バンナムブシロードの音楽系コンテンツは表面的には「ソシャゲがあって、アニメをやって、ライブをやって」と似たようなビジネスモデルだけど、
祖業の違いで実はコンテンツにかける性質はかなり違うのでしょう。この二つの違いをかなり極端な言い方をすれば

  • ブシロードにとってライブというものはコンテンツそのもの
  • バンナムにとってライブは究極的にはファンサービスに過ぎない。したがって「リスクをとってまでやる価値は低い」

例えば、BanG Dream!のキャッチコピーは「キャラクターとリアルライブがリンクする次世代ガールズバンドプロジェクト」と銘打っており、声優によるライブとキャラクターコンテンツはコンテンツの両輪の輪であると明言していますし、殆どのブシロード主催のコンテンツがライブないしはトレカを前提に企画されていることに気が付かされます。

まあ、バンナムも「コト消費」が叫ばれていたご時世に渋谷に劇場を建てる計画があったのでライブコンテンツは単純なファンサービスと割り切ってるわけではないのですけど、二社を比較してバンナムの方がライブへの依存度というのは低いというのは事実でしょう。

 この二社に限らず、どんな大企業にも祖業という物に縛られています。

 例えばAppleはデバイスを売る会社で、Googleはデータを処理してその成果で客を集めて広告で稼ぐ会社でMicrosoftはプラットフォームとツールを売る会社だし、ソフトバンクは祖業はソフトの卸売会社で、商材を仕入れて右から左に売るだけの会社。会社そのものがより高く売れるなら執着せず余所に売ってしまうことも厭わない。

 この辺りの経営哲学は孫氏の座右の書の『ユダヤ人の商法』(藤田田)の「ユダヤ人は会社を大きくして執着せずに売る」という下りにも影響されてるのでしょうけど、iPhoneYahoo!もWeWorkもソフトバンクにとっては商材での仕入れで自分で技術を作ったりサービスを考えるような会社でもないのです。

 3月頃から言われていたTモバイル株の売却が決定したようですが、携帯電話や電力業のようなインフラ業までもそうしたマインドを平気でやってしまう欠点もあるけど、事業に執着無く売って、会社の業態がどんどんと変わってしてしまうのは他方で殆どの日本企業にはないある種の美徳*1だし、欠点と長所は表裏一体ということなのだろうなとも思います。




 

*1:競争力があるときにその事業に執着して、中韓が伸びてきても成功体験を変えられずに、競争力を完全に失い、結局二束三文で売ったり、多額の特損を出して撤退して、結局体力と競争力を摩耗するだけの結果になったという話は列挙にいとまが無い